News Discussion
Salmon War: Why is an Energy Giant Diving into Land-Based Aquaculture?

Weekly News Digest
産経オンライン英会話 ニュースディスカッション教材

1
Salmon War: Why is an Energy Giant Diving into Land-Based Aquaculture?

Directions: Read the following article aloud.

以下は出典ニュース記事を要約した英文です。

In Fukuoka Prefecture, a "salmon war" has erupted as Kyushu Electric Power (Kyuden) and RKB Mainichi Holdings compete in the land-based aquaculture industry. Kyuden, led by Yoshiki Mitsuhata, introduced Mirai Salmon in October 2023, marking the first successful venture into the market. The company declared war on its main rival, RKB, with promotional efforts evident in their headquarters.

Kyuden's journey began in April 2021 with the KYUDEN i-PROJECT, inspired by Mitsuhata's vision to revolutionize the industry with digital thinking. After market research, a joint venture with Nichimo, and the establishment of a plant in Buzen City, Fukuoka, Kyuden's Mirai Salmon stands out for its balance of lean and fatty meat, offering a unique taste. Mitsuhata envisions nationwide delivery and potential exports leveraging Fukuoka's geographical advantage.

RKB Mainichi Holdings, following Kyuden's footsteps, aims to complete its aquaculture plant in Munakata City this summer. Spanning 18,000 square meters, the facility plans to produce 500 metric tons of salmon annually, utilizing abundant groundwater. President Hirokazu Tobo, inspired by a desire to create local jobs after heavy rainfall in 2017, decided on salmon as a solution. Despite initial company skepticism, Tobo's persistence, especially during the COVID-19 pandemic, led to collaboration with NESIC Land Aquaculture and a focus on innovative land-based aquaculture.

While Kyuden and RKB compete in Fukuoka, Tobo sees them as allies rather than competitors, envisioning a nationwide network of land-based aquaculture. With a shy smile, Tobo emphasizes that innovation arises from persistence in words and actions. The "salmon war" in Fukuoka, amid global concerns about food security, may contribute to a solution, showcasing the intense competition for high-quality seafood worldwide.

Source:Salmon War: Why is an Energy Giant Diving into Land-Based Aquaculture?
JAPAN Forward

2
Key phrases and vocabulary

Directions: First repeat after your tutor and then read aloud by yourself.
1. erupt 勃発する、(火山などが)爆発する、噴火する、(感情などが)どっと出る
Laughter erupted from the audience at the comedian’s joke.
2. promotional efforts 宣伝活動
The company’s promotional efforts paid off when sales increased.
3. stand out for ~で目立つ、~の点で突出している
The company stands out for its innovative approach to technology.
4. envision 見込む、心に描く、想像する
I envision a future where renewable energy sources are the norm.
5. skepticism 懐疑心、懐疑主義
He expressed his skepticism about the effectiveness of the new policy.

3
Questions

Directions: Read the questions aloud and answer them.
1. What is the “salmon war” mentioned in the text?
2. How does Kyuden’s Mirai Salmon differentiate itself in the market?
3. What was the motivation behind RKB Mainichi Holdings’ decision to enter the aquaculture industry?
4. What broader impact could the competition in Fukuoka’s aquaculture industry have according to the article?
5. In your opinion, how might the “salmon war” in Fukuoka contribute to addressing global concerns about food security?

4
「サーモン戦争」に挑む電力会社とテレビ局 異業種が続々参入する陸上養殖のうまみ

以下は出典記事原文の日本語訳です。本教材の要約英文の日本語訳ではありません。

福岡県で異業種同士による〝サーモン戦争〟が勃発している。九州電力が陸上養殖で育てたサーモンを昨秋から販売を始め、地元テレビ局のRKB毎日ホールディングス(HD)も今夏にプラントが完成予定。各地で異業種が陸上養殖に参入する中、九州最大の市場、福岡の覇権を握ろうと電力会社とテレビ局による〝異種格闘技戦〟が繰り広げられている。

「最大のライバルはRKBさんですね」

一足先に販売にこぎつけた九電海外・イノベーショングループ副長の満畑祥樹さんは「宣戦布告」した。九電は昨年10月から陸上養殖で育てたサーモンを「みらいサーモン」として県内のスーパーや回転ずし店などへの出荷を始めた。知名度アップを図るため本社内にもポスターを貼り出し、アピールに余念がない。

同社がサーモンの陸上養殖事業参入を発表したのは令和3年4月。平成29年1月から始まったグループ内の新規育成事業を目指す「KYUDEN i-PROJECT」に満畑さんが手を挙げたことがきっかけだった。長崎県出身の満畑さんの実家は水産業。アナログの世界に九電の通信部門で培ったデジタル分野の考え方を持ち込めば、業界に一石を投じられるのではないかとにらんだ。

プロジェクト採用後、市場調査や養殖方法などを詳細に検討し、事業化への道筋を立てた。令和3年1月にニチモウなどと合同会社を設立し、5年5月に九電豊前発電所(福岡県豊前市)の遊休地内に、年間出荷量300トン規模のプラントを完成させた。現在は8つの水槽で養殖しているが、今後生産能力の引き上げも検討しているという。

「みらいサーモン」は赤身と脂のバランスが売り。実際に食べてみると納得の味だ。独自に開発したエサと水処理技術がこの味を生んでいるという。現在は福岡県内を中心に販売しているが、満畑さんは「将来的には全国、そして福岡の地の利を生かしてアジア各国に朝取れのサーモンを届けたい」と夢を描く。

九電の背中を追うのが、地元テレビ局のRKB毎日HD。福岡県宗像市の玄界灘に面した約1万8千平方メートルの土地を取得し、今夏の完工を目指して約5千平方メートルの養殖場を建設している。豊富な地下水を使い、年間500トンを生産する計画だ。

同社は100%出資の子会社「宗像陸上養殖」(同市)を設立。社長には報道現場や番組プロデューサーなどを十数年務めてきた生粋のテレビマン、東穂浩和(とうぼひろかず)さんが就任した。九電のように養殖から小売りまで完結せず、宗像市や地元の漁協、企業と協力して販売や加工を行うビジネスモデルを描く。

東穂さんが畑違いの事業に関心を持ったのは、平成29年7月に発生した九州北部豪雨取材がきっかけだった。被災地が復旧・復興しても地元に仕事がなければ地域は衰退してしまう。このことを取材を通じて肌身で感じ、「地域に仕事を作ることも地元テレビ局の仕事ではないか」と考えた。

「自分たちに何ができるのか」というモヤモヤを胸に抱えながら被災地取材を続けていた。そんな折、娘が回転ずしでサーモンをおいしそうに食べる姿を見て、以前に取材した復興に向けて奮闘する柿農家のことが脳裏に浮かんだ。柿の実の色とサーモンの身の色が結びつき、「サーモンだ!」と確信した。そこからテレビマン的な発想で雪だるま式に構想が練られ、豪雨災害から1年後の翌30年、企画書が完成した。

とはいえ、社内ではほとんど相手にされなかったという。だが、新型コロナウイルス禍が転機となり、コロナ後を見据えた新規事業を会社側も求めるようになっていたのだ。ただ「完全な門外漢」であるテレビ局に陸上養殖事業ができるのか-。上層部からは厳しい声も上がったが、逆に「なぜやりたくないのか」などと一歩も引かず丁寧に説得した。

事業化に当たってNECネッツエスアイ(東京都港区)の子会社であるNESIC陸上養殖(山梨県西桂町)と連携し、ICT・デジタル技術を駆使し、最先端の陸上養殖を目指す。福岡県朝倉市など九州北部豪雨の被災地での事業化を模索したが、適地が見つからず、27自治体100カ所以上を巡る中で宗像市にたどり着いた。

九電はRKB毎日HDをライバル視するが、東穂さんは「競合相手というよりも仲間だと思ってますよ」と話す。東穂さんの「夢」は九州だけでなく、全国に陸上養殖の「仲間」を作り、地域の産業振興と安心・安全なサーモンの供給網を広げていくことだ。その過程で同社が培ったノウハウが生きていく。

「言い続けること、やり続けることで新しい何かが生まれるんですよね」。東穂さんは照れ臭そうに笑うが、被災地支援という観点からスタートした陸上養殖事業は数年越しで間もなく現実化しようとしている。

世界人口の増加と食の多様化が進み、世界では良質な魚介類を奪い合う状況。食の安全保障に関心が寄せられる中、福岡県内で始まった〝サーモン戦争〟がその解決策の一助となるかもしれない。

「サーモン戦争」に挑む電力会社とテレビ局 異業種が続々参入する陸上養殖のうまみ
JAPAN Forward