日本を英語で伝える
北海道千歳市で年商5億円の小さな建設会社 瀧建設興業 が“多国籍企業”として知られ出しました。厳しい求人難に対処するため外国人雇用の在り方を探り、たどり着いたのは地味ながら堅実な対応だったといいます。少子高齢化が加速している日本において、外国人労働者の受け入れは今後ますます加速するでしょう。多文化共生のためどのようなことを意識すればよいのでしょうか?
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※本ページは出典ニュース記事を要約した英文です。
本教材は、一般社団法人ジャパンフォワード推進機構、株式会社産経デジタルより許諾を得て、産経ヒューマンラーニング株式会社が編集しています。
テキストの無断転載・無断使用を固く禁じます 。
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※本ページは出典記事原文の日本語訳です。本教材の要約英文の日本語訳ではありません。
北海道千歳市は、次世代半導体の製造を目指す国家プロジェクト、ラピダス(本社・東京都千代田区)の工場進出で世界から注目を浴びている。その千歳市で年商5億円の小さな建設会社が“多国籍企業”として名前が知られ出した。
全従業員67人のうち、現在27人が外国人。ベトナムやバングラデシュ、スリランカ、インドネシア、ラオス、インド、ミャンマーなど8カ国からなる。さらに、この10月以降、ペルーやカンボジア、ネパール、タイ、ウズベキスタンなど6カ国から24人の採用が内定している。
この会社、瀧建設興業の瀧雄一さん(39)は2代目社長で、2015年から陣頭指揮に立っている。2016年に、道内での求人難から初めてベトナム人を2人採用した。だが、ほどなく2人とも無断で職場を離脱、いわば“脱走”したのだ。
同社長は「思いやりが欠けていた。労働に対する考え方、生活環境の違いなど細かいところをしっかりケアすべきだった」と深刻に反省したという。
どうしたら定着して貰えるのか?将来も続くであろう厳しい求人難に対処するための外国人雇用の在り方を探りたどり着いたのは、地味ながら堅実、外国人の身になってブラッシュアップした手作りのマニュアルだった。
同社の主要事業は、建設、土木工事現場で必要な架設足場づくりである。
従業員は、ラピダスや北海道新幹線など建設現場に送り込まれる。職種で言えば、とび職(高所作業を行う)が中心である。外国から千歳にやってきた若者たちも、この仕事に慣れるため危険で熟練した作業を要求される。
同社がこの数年にわたって各国語に作ってきた2種類のマニュアルがある。
1つは、「日本の生活マニュアル」。冬の北海道での室内結露対策から、建物玄関周りの共用スペースに私物を置かない、ゴミ出しでは段ボールはたたんでから出すことなどきめ細かなアドバイスがイラスト、写真つきで書かれている。日本人従業員が作成し、翻訳アプリで各国語に直し、ネイティブチェックを受けているという。
また、「仕事の準備しよう」編では、「分かりました」は、本当に理解した時に言ってください、から始まり、自分がケガをしない、仲間にケガをさせないためにも何を指示されているか分からない時は、すぐに質問しましょうという基本が説明されていた。
フルハーネス型墜落制止用器具や現場で使う道具類の総称、腰道具の図解説明、足場の構成物など丁寧に解説されている。
結びには、「大変なこと、辛く苦しいこともあるかもしれません。乗り越えた分だけきっとあなたは沢山のものを得るでしょう。あなたの家族のため、そして将来の自分自身のために安全第一で頑張りましょう」と。
多文化共生という言葉がある。立派な理念であり、理想である。
しかし、現実には言葉の違いによるコミュニケーション不足、日常の宗教行為、ゴミ出しなど生活習慣の差異、さらには、日本人の一部にある人種的偏見など日本各地でも様々なトラブルが増えている。
それでも外国人労働者の受け入れは、少子高齢化が加速している日本にとって避けられない現実でもある。アジアの若い世代の労働者は、コンビニをはじめ建設現場の作業、介護、農業、電器製品の組み立て、食品加工など広い分野で必要とされている。
しかし一方で、長時間労働、低賃金など劣悪な労働環境によって、人権にかかわる深刻なトラブルも続発してきた。労働力確保のためにも、労働環境をいかに改善するかは喫緊の課題であり、入国管理制度でも特定技能制度の創設や技能実習制度の見直しがなされている。
瀧社長は、「日本人社員の意識改革が重要で、それぞれの国の民族性や人種同士のいがみあいまで学ばなければならない。これからは、外国人だけのチームで、現場を任すところまで目指していきます」と語った。
5年前にバングラデシュから、この会社にやってきたラハマンさんは、27歳。現在、特定技能一号を取得していて、永住権取得も可能になる特定技能二号を目指している。
「イスラム教なので、豚骨ラーメンや焼きそばなど日本人の好きな豚肉入りのものを食べられないのが残念です」と話す。この5年間でも千歳には外国人が増えてあまり違和感をもたれなくなったように感じる、と言う。
スリランカからやってきて3年目を迎えたルワンさん(25)は、「日本は、自分にとってドリームカントリーです。しっかりお金を貯めて国に帰り、自分でビジネスを始めたい」と夢を語る。
また、2年目のオキさん(24)は、インドネシア出身、5人兄弟の末っ子で、「自分の仕送りで家族が元気に暮らしている。自分にとって、やり甲斐があり満足している」と笑顔を見せた。
欧米、とりわけヨーロッパでは、イギリス、フランス、ドイツなど難民、移民問題が国の分断、分裂につながりかねないような国家的課題になっている。
日本はさし迫った労働力不足に対処する場あたり的な対応を続けていると見られているが、外国人労働者を“移民”として受け入れていくのかどうかなど、国の将来の重要なテーマとして、本格的に議論しなければならない時代に突入しているのではないか、と考える。
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