タルトやシュークリーム、うどんまで、「米粉」を使った食品の世界が少しずつ広がっています。日本では身近な素材ですが、最近はその使い方や魅力に海外からも関心が集まっているようです。食感や見た目、背景にある考え方によって、同じ食材でも印象は大きく変わりますね。こうした広がりは、私たちの食の選び方や、日本の食文化の伝え方にどんな影響を与えるのでしょうか。あなたは「米粉」の商品に、どんな可能性を感じますか。

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本教材は、一般社団法人ジャパンフォワード推進機構、株式会社産経デジタルより許諾を得て、産経ヒューマンラーニング株式会社が編集しています。
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小麦アレルギーのためケーキやうどんが食べられない。そんな人でも楽しめる米粉を使った食品が各地で広がりをみせている。ケーキやパンが人気を集め、うどんの販売を模索する動きもある。新たな食材として注目され、米粉の消費量も増加している。
大阪市中央区の「Comeconoco Gluten-free Laboratory&Cafe」。ショーケースには「いちごのクリームタルト」やシュークリームなど多彩なケーキ類が並ぶ。「まちの人気菓子店」だが、商品の原料がすべて米粉という点がこの店の特徴だ。
シュークリームは皮がサクサクしており、タルトの濃厚な味わいも「米粉で作った」と教えられなければ分からない。パンも同様で、トーストはふっくらと焼き上がり「小麦粉のパンより少しあっさりした味わい」という印象を受ける。
洋菓子店に勤務していた中島由起子さん(41)が「日本らしい要素を取り入れた菓子を作りたい」と平成31年2月に開業。中島さんは「洋菓子店で扱うお菓子は、ほぼすべて米粉で作れます」と説明する。
店では誕生日ケーキの需要が多い。小麦アレルギーに悩む人のほか海外の人もよく利用する。欧米人は、小麦粉由来のタンパク質の一種「グルテン」が原因で腹痛などの症状を起こす遺伝性疾患が、日本人と比べて多く発症するからだという。
「グルテンフリー」を打ち出す同店は、旅行者だけでなく、昨年の大阪・関西万博期間中は各国パビリオンスタッフらもよく利用した。中島さんは「『この店なら大丈夫』という信頼を得られたことは本当にうれしい」と笑顔。米粉が以前よりも普及した点を踏まえ「今後は、各店のクオリティーが問われる。よりいっそう良い商品づくりを目指したい」と語る。
米粉を使った新たな試みも進む。大阪府東部の大東、四條畷の2市を所管する大阪東部農業協同組合(JA大阪東部、本店=大東市)は令和5年夏、地域の新特産品として「グルテンフリー米粉うどん」を完成させた。
パン作りに適したコメも品種登録された。こうした動きから、同省穀物課は「米粉の需要量は堅調に推移している」との見方を示している。
地域の主力生産品であるコメのPRと、米粉の消費拡大を目指した取り組み。ヒノヒカリを原料とし、コシも十分ある。小麦粉のうどんとは違う「さわやかであっさりとした味わい」が特徴。うどんを選んだ理由は「関西は『うどん文化』だから」と、仕掛け人で代表理事組合長の戸野谷益之さん(67)は言う。
米粉価格の関係から販売はしておらず試供の段階だが、万博で提供したり、地元の社会福祉協議会に寄付したりすることで認知度はアップ。「アレルギーの人も安心して食べられる」「普段はうどんを食べない孫が食べてくれた」などの反応が寄せられている。
戸野谷さんは将来の販売を見据えながら「米粉うどんをさらに普及させ、パスタやそうめんなどへの活用も考えたい」と強調した。
米粉の人気は高まっている。農林水産省によると、需要量は平成21年度の約5千トンから25年度は約2万5千トンに増加。26年度~29年度は約2万2千~約2万5千トンで推移したが、30年度は約3万1千トン、令和元年度と2年度は約3万6千トンとなり、6年度には約5万6千トンに。7年度は約6万2千トンを見込んでいる。
国内では古くから、米粉が柏餅や団子といった和菓子類の材料に使われてきた。「輸入小麦に代わるもの」として、消費減が続く米の生産拡大につなげようと、民間で普及促進活動が展開されてきた経緯がある。
近年では、小麦アレルギー対策も含めた「グルテンフリー」などの食スタイルが注目され、ニーズが高まった。製粉メーカーによる商品開発などが進み、消費者の認知度も向上。

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